2016年9月30日金曜日

【ルークトゥンモーラム・ムーヴィー】映画「プー・バオ・タイ・バーン2」にはモーラム愛が溢れていた

◆映画「プー・バオ・タイ・バーン2(ผู้บ่าวไทบ้าน2)」


2週間ほど前にこのブログでも公開情報をお伝えした(「イサーンの歌手が多数出演した映画「プー・バオ・タイ・バーン2」がまもなく公開!」)、ルークトゥン・モーラム歌手が多数出演した映画「プー・バオ・タイ・バーン2」を観て来ました。

ここの所、タイ映画に興味を失いかけていたので、面白いかどうか若干の不安がありましたが、感想は期待以上の面白さでした。

タイ音楽好きなら、単純に沢山の歌手が出ているというだけでも楽しめるとは思いますが、主演のタオ・プーシンとエーン・オラディーをはじめ、出演者が皆、良い演技をしてくれていますし、何よりモーラム好きとしては映画の中でモーラムが至るところで流れるというのは、それだけでも嬉しいものです。

◆メジャー・シネプレックス・サムローンにて


おおまかなあらすじは、コンケーンのある村で、老女がタムブンの為にモーラムのコンサートを行おうと思いついた所から始まる、モーラム楽団再興の話です。

映画の作りとしては、タイ映画にありがちな沢山の要素を詰め込みすぎていて、メインストーリーがぼけてしまっている感は否めないのですが、個性豊かな出演陣が随所で楽しませてくれますので、2時間があっという間でした。

この映画を観る前は、歌手としてのタオ・プーシンには正直、興味を持てなかったのですが、役者としての彼はすごく良い目をしているんだな、と映画を観た後には思いました。そう思うと、急にタオの歌も何となく良く聴こえてくるのが不思議です(笑)。

それと、タオの恋人役を演じたモーラム楽団「プラトム・バントゥンシン」の看板歌手でもあるエーン・オラディーも素晴らしかったです。特に終盤の本気泣きには胸を打たれましたよ。

◆プラトム・バントゥンシンでのエーン・オラディー(2016年7月16日)。この時は、まさか映画に出ているとは思っていませんでした。


そして、モーラム好きにとっての最大の見物は、最後に出てくるプラトム・バントゥンシン協力で実現した、夢のオールスター・モーラム楽団のコンサート・シーンです。

この映画に出演している歌手陣がみんなが舞台衣装を着て、同じ舞台に上がっているというだけでもすごいのですが、架空の物語という事もあって、現実ではありえないような、ダンサーが一気に100人以上いるのではないかと思える舞台は、とにかく圧巻です。


◆この写真では分かりにくいですが、予告編の最後の方でもそのコンサート・シーンがちらっと出てきます。





タイトルに「・・・2」と付いているので、続きものかと思ってしまいますが、前作を見ていない自分でも充分楽しめましたので、これはこれで独立した話だと捉えてよさそうです。

タオもエーンちゃんも良かったし、ドークムーイの独特の存在感も印象に残りました。それと、ギックは演技もなかなかだなと、個人的にお気に入りのパートが沢山あって、DVDが出たら買って何度も観返したい、そんな愛すべき映画と出会えたように思います。

さらに、映画を観た後はモーラムやルークトゥン・イサーンが聴きたくなる。

この映画は音楽好きにとっては最高の映画だと思いますね。


◆「Ost.プー・バオ・タイ・バーン2」より、แอน อรดี(エーン・オラディー)/นางฟ้าชาวดิน(ナンファー・チャーオ・ディン)



2016年9月28日水曜日

【ピックアップ・シンガー】サーイヤイ・ウドムポン:シアン・イサーンから生まれた華が華麗に復活!

◆สายใย อุดมพร(サーイヤイ・ウドムポン)@タラート・ナムデーン(2014年5月2日)


タイ最大の楽団と言えば、考える余地なくシアン・イサーンです。現在、楽団員は約5000人いると言われています(たぶん裏方も含めて)。

そこから巣立った歌手もまた多く、有名な所ではマイタイ・フアヂャイシン(シアン・イサーン在籍時はマイタイ・ウライポン)、マイタイのペアを組んでいたルークペー・ウライポン、そしてポーイファーイ・マーライポン、などがいます。

今回、取り上げるサーイヤイ・ウドムポンもその1人です。

自分が彼女を初めて見たのは、まだ旅行でタイに来ていた時の2013年9月に、ワット・ライキンで行われたサーヤン・サンヤー追悼コンサートを観に行った時でした。

◆サーイヤイ・ウドムポン@ワット・ライキン(2013年9月)



その時はシアン・イサーンを観る事自体が初めてだったので、知っているのは楽団長のノックノーイ・ウライポンと彼女の娘ノーンペン・ナッティダーくらい。サーイヤイの事は全く知りませんでした。

しかし、そのコンサートで彼女を初めて見てすっかり虜になり、日本に帰ってきて調べて、ようやく彼女がサーイヤイ・ウドムポンという名前だという事が分かりました。

◆コンサート・リポート⇒『追悼サーヤン・サンヤー(4):さよならピー・パオ・コンサート(3)』

その後、タイに語学留学名目で滞在する事になった2014年5月に、再びシアン・イサーンの舞台でサーイヤイを見る機会に恵まれました。

この時は当然、彼女の存在を知っていましたので、舞台前で思いっきりガツガツ写真を撮っていました。カメラ目線をくれたのは嬉しかったですね。


◆サーイヤイ・ウドムポン@タラート・ナムデーン(2014年5月2日)



◆コンサート・リポート⇒『ディープ・イサーン・ナイト(1):シアン・イサーンにはタイ音楽の醍醐味が凝縮されている』


ただ、そのコンサートからしばらくして、サーイヤイは何らかの理由でシアン・イサーンを離れてしまいました。

2015年のノックノーイ歌手生活40周年の記念すべきコンサートの時に、サーイヤイの姿が無かったのはすごく寂しかったですね。

サーイヤイはシアン・イサーンの若手の中でも重要なポジションにいた人でした。

ノーンペン達と一緒に「ダーオ・ノーイ・シアンイサーン(ดาวน้อย เสียงอิสาน)」という楽団内のグループにも名を連ねていましたし、シアンイサーン在籍時にソロアルバムをリリースしたこともあります。

◆ダーオ・ノーイ・シアンイサーン


◆(ダーオ・ノーイ・シアンイサーン)/สาวมัธยมกระโปรงเหี่ยน(サーオ・マタヨム・グラップローン・ヒアン「ミニスカ女学生」)


◆ソロアルバム「キットゥン・ホーイトート、キッホート・コン・ルーム」(2012年)


◆สายใย อุดมพร(サーイヤイ・ウドムポン)/แฟนเก่าสาวหมอลำ(フェーン・ガオ・サーオ・モーラム「モーラム娘の元彼」)



そんな彼女がシアン・イサーンを辞めて、何をしているのか気になっていたので、FBで彼女の動向を追っていましたが、単発で歌の仕事をしているのと同時に、ノーンマイ・ムアンチュムペー(น้องใหม่ เมืองชุมแพ)の楽団「ノームグラオ・ルークイサーン(น้อมเกล้า ลูกอีสาน)」にも参加するようになったようでした。

とりあえず、歌手を辞めた訳ではなかったようで、少しホッとしましたね。


◆ノームグラオ・ルークイサーン、スタジオライブ@トップラインTV(2016年8月29日)



と、新天地で新たな活動を始めていたサーイヤイでしたが、今月に入って突然ソロ曲のMVがYouTubeにアップされました。これは嬉しい驚きでしたね。

しかも、制作陣がすごい。作詞・作曲はチャルームポン・マーラーカム先生、編曲はサワット・サーラカーム先生!この組み合わせを見ただけでも、気合の入りようがうかがえます。


◆สายใย อุดมพร(サーイヤイ・ウドムポン)/ไผใหญ่แถวนี้(パイ・ヤイ・テーウ・ニー)



さらに、MVがアップされたのは1曲だけでなく、この後立て続けに2曲公開されました。

こうなると、もしやアルバムが作られるのでは、と淡い期待も抱いてしまいます。


◆สายใย อุดมพร(サーイヤイ・ウドムポン)/มักอ้ายอีหลี(マック・アーイ・イリー)



◆สายใย อุดมพร(サーイヤイ・ウドムポン)/ผู้บ่าวติ๊งต๊อง(プー・バオ・ティン・トン)



持ち味である清楚さはそのままに、嫌味のない色気も加わって、ますます魅力的になったように思うサーイヤイ。

ノームグラオ・・・での活動はこれからも続けて行くでしょうが、ソロでも並行して歌っていくのかもしれません。

このまま埋もれてしまうにはもったいなさ過ぎる素材ですので、アルバム発売の可能性も含めて、更なる活躍を期待したいものです。

2016年9月27日火曜日

【ルークトゥンモーラム通信】ゴン・フアイライ:1年ぶりの新曲と大ヒット曲のオルタナティブ・ヴァージョン

◆ก้อง ห้วยไร่(ゴン・フアイライ)


「サイ・ワー・シ・ボ・ティム・ガン(ไสว่าสิบ่ถิ่มกัน)」の大ヒットから1年余り。

ゴン・フアイライ待望の新曲がようやく日の目を見ました。

タイトルは「クー・コーン(คู่คอง)」。Ch3で9月26日から始まったドラマ「ナーキー(นาคี)」の主題歌として作られた曲です。

美しいバラードに仕上がったこの曲。「サイ・ワー・・・」に負けず劣らずの名曲です。

評判も上々で、YouTubeでの動画の再生回数は3日で150万回という数字を叩き出しています。


◆ก้อง ห้วยไร่(ゴン・フアイライ)/คู่คอง(クー・コーン)



肝心のドラマですが、専門外なので詳細についてはドラマに詳しい方にお任せします。

タイトルの「ナーキー」とは「メスの竜(あるいは蛇)」の事で、この話はタイでは定番のようです。何度も映画やドラマになっているらしいです。

YouTubeには9月26日放送分が早速上がっていましたので、少しだけ見てみましたが、門外漢が見ても結構面白いですね。

ただ、タイのドラマは長いんですよね~。最後までテンションを持続させるのは、なかなか難しいです。

ゴンの歌は冒頭のタイトルバックで使われています。

ドラマの雰囲気にぴったり合っていて、改めて感動しますね。


◆ドラマ「ナーキー」第1話(1/9)


最後にオマケと言ってはなんですが、同じくゴンのテレビ絡みのネタで、面白い試みがありましたので、そちらを紹介しておきます。

これはThai PBSで8月19日に放送されたものなんですが、タイプの違う3組のミュージシャンが一同に会した貴重な瞬間です。

参加ミュージシャンはゴンの他にガーンゲーン(กางเกง)、プーヂャーン・ソーンマイク(ปู่จ๋าน ลองไมค์)と、人選もユニークですが、イサーンと南部という出身が違うミュージシャンが集まったという点でも興味深いものがあります。

そこで彼らはゴンの「サイ・ワー・・・」を歌っているのですが、オリジナルとは全く違うアレンジになっていて、聴きなれた曲も新鮮に聴こえます。

面白かったのはガーンゲーンがサビの部分を南部の言葉に置き換えて歌っている事です。

この曲が南部でも人気があったのかどうかは定かではありませんが、意外とこんな風に言葉を置き換えて歌われていたかもしれませんね。


◆ゴン・フアイライfeat.ガーンゲーン&プーヂャーン・ソーンマイク/サイ・ワー・シ・ボ・ティム・ガン(オルタナティブ・ヴァージョン)



ルークトゥンモーラムに限らず、大ヒットが出た後、その人気を持続させるのは難しいことです。あのインリーでさえ、今はほとんどコンサートがありませんから。

ただ、ソングライティングが出来る人はその後も一定のポジションを保ち続けられるパターンもあります。ペット・サハラットがその良い例ですね。

ゴンにもそういう風になってほしい。彼にはその実力が充分にあると思います。

2016年9月26日月曜日

【ルークトゥンモーラム通信】モッデーン・ヂラーポンの楽団「ヂラーポン・ウィセートシン」がいよいよ始動!

◆จิราพร วิเศษศิลป์(ヂラーポン・ウィセートシン)


モッデーン・ヂラーポンが楽団を立ち上げると聞いたのは半年ほど前だったでしょうか。

以前は楽団を持っている歌手は何人もいたようなのですが、その維持の大変さからか現在では数えるほどになってしまいました。

しかも、モッデーンほどの若さで楽団を作るというのは相当大変な事であるのは、容易に想像できます。

それでも、その困難な道を選んだモッデーンに拍手を送りたい。

そして、いよいよ、その楽団のお披露目が9月24日、モッデーンの故郷ウドンタニーで行われました。

当日は現場まで行けなかったものの、YouTubeで生中継されていましたので、それを見ていました。

◆YouTubeからのスクリーン・ショット







冒頭から一通り見てみましたが、なかなかのものでした。

特に、自分はこの手のコンサートで重要なのは、メインが出てくるまでの約2時間ほどの時間が大きなポイントだと思っているのですが、その点では充分楽しめるものになっていました。

まだ、それぞれの歌手の歌唱力など課題も残っていますが、選曲や構成、演奏などしっかり仕上げてきていたと思います。

モッデーンや彼女の姉のトゥッカターのパートは、基本的にはいつも観ている彼女らのコンサートと内容は一緒でしたが、状況が違うとこうも違って見えるのか、と思えるほどいつもと印象は違っていました。

それと、心なしかモッデーンもいつも以上に気合が入っているように思いましたね(表情はクールでしたが)。


◆จิราพร วิเศษศิลป์(ヂラーポン・ウィセートシン)@อ.หนองแสง จ.อุดรธานี(ウドンタニー県ノーンセーン郡)、24 ก.ย. 2559(2016年9月24日)※トゥッカターの登場は2:01:50~、モッデーンの登場は2:25:00~。



そして、ついに今週末からはバンコク近郊での巡業が始まります。

9月30日 テープ・プラシン通り旧ゴルフ場(パタヤ)
10月1日 ミンブリー、タイワッサドゥ前(バンコク)
10月2日 ワット・ダーン・サムローン通り中間(サムットプラカーン)



※上記3公演は諸事情により、全てキャンセルになりました。

YouTubeの中継を見ていたら、会場がイサーンという事もあって夜中の3時過ぎになっても終わりませんでしたが、バンコク周辺ではさすがにそれは無いと思います(笑)。

ただ、長時間になる可能性は充分にあります。また、時間の関係で構成も若干変わっているかもしれません。いずれにしても、いまから楽しみです。

楽団が誕生する瞬間というのは、タイの音楽に関わっていてもそうそうあることではないと思います。そんな貴重な瞬間をしかと見届けようと思います。

自分は10月1、2日に観に行くつもりですので、その時の模様はブログ(か、コラム)でお伝えします。

2016年9月25日日曜日

【ディスク・ライブラリー#9】ヌット・プラトゥムトーン/オリジナルCD+コンサートDVD

【Artist】น้องนุช ประทุมทอง นิลวัน(ノーンヌット・プラトゥムトーン・ニラワン)

【Title】ชุดที่1 น้องถืกเสียบ(Vol.1 ノーン・トゥーク・シアップ)+ลำซิ่ง บันทึกการแสดงสด2016(ラムシン・バントゥック・ガーンサデーン・ソット2016)

【Release Date】ส.ค. 2559(2016年8月)



ヌット・プラトゥムトーンが「CDを作った」とSNSに投稿していたので、早速購入しました。

しかし、これはCDショップで販売しているようなものではなく、完全手作り&手売り。本人に連絡するか、コンサート会場で買うという方法になります(ただ、コンサートで買う場合、必ず毎回持ってきているとは限らないので、事前に確認しておく方がベター)。

今回はオリジナル曲を収録したCDと、コンサートを録画したDVDでのセットでの販売形態をとっています(CDは単品でも買えるようですが)。

では、早速それぞれの中身を紹介します。

【CD】ชุดที่1 น้องถืกเสียบ(Vol.1 ノーン・トゥーク・シアップ)


1.ฟ้าบ่มีดาว(ファー・ボ・ミー・ダーオ)/นุช ประทุมทอง(ヌット・プラトゥムトーン)
2.อย่าเว้าฮอดเขา(ヤー・ワオ・ホート・カオ)/โอม ศิวะกร(オーム・シワゴン)
3.ซี้น 2 ต่อน(シーン・ソーン・トーン)/นุช ร้องคุ่ โอม(ヌットduet withオーム)
4.น้องถืกเสียบ(ノーン・トゥーク・シアップ)/นุช ประทุมทอง(ヌット・プラトゥムトーン)
5.ฟ้าบ่มีดาว(ファー・ボ・ミー・ダーオ)【Back Track】
6.อย่าเว้าฮอดเขา(ヤー・ワオ・ホート・カオ)【Back Track】
7.ซี้น 2 ต่อน(シーン・ソーン・トーン)【Back Track】
8.น้องถืกเสียบ(ノーン・トゥーク・シアップ)【Back Track】

CDに収録されている曲はオリジナル4曲とそのカラオケが4曲で、計8曲。

ジャケットと盤面に印刷されている曲順は間違えていまして、正しくは上に記載した曲順で収録されています。

一聴しての感想は「音がいい!」。

単にCD-Rに焼いただけのお手製ですが、YouTubeなどで聴いていたときよりもはるかに音像がはっきりしていて、迫力が全く違っていました。

それに伴って、それまで感じていた曲の印象ががらりと変わった気がします。特にヌットが歌うTr.1「ファー・ボ・ミー・ダーオ」は改めて感動しましたね。

以前のブログの記事で「2016年の最高の曲はシ・ヒ・ノーン・ボ」と書いてしまっていましたが、正直、この曲にしようかと迷っています^^;

◆นุช ประทุมทอง(ヌット・プラトゥムトーン)/ฟ้าบ่มีดาว(ファー・ボ・ミー・ダーオ)MV Ver.2



ヌットのソロ曲はもう1曲Tr.4「ノーン・トゥーク・シアップ」が収録されています。こちらは「ファー・ボ・ミー・ダーオ」と打って変って、アップテンポのダンサブルな曲。

アレンジはモッデーン・ヂラーポン「ノーン・トゥーン・クワーイ」やプレーウプラーウ・セントーン「プア・パイ」を手がけているテーク・コンサーン先生。

テーク先生お得意のフレーズがふんだんに盛り込まれた曲になっていますが、ヌットの声の印象が先の曲とはだいぶ違っています。これもまたヌットの表情の一部なのでしょうが。

MVはシンプルな作りなんですが、ヌットがたまらなくキュートでGooooood!


◆นุช ประทุมทอง(ヌット・プラトゥムトーン)/น้องถืกเสียบ(ノーン・トゥーク・シアップ)



また、ヌットのパートナーであるオーム君のソロ曲も収録。こちらもなかなか良いです。

それと、そのオーム君とヌットとのデュエットもあります。


◆โอม ศิวะกร(オーム・シワゴン)/อย่าเว้าฮอดเขา(ヤー・ワオ・ホート・カオ)


◆นุช ร้องคุ่ โอม(ヌットduet withオーム)/ซี้น 2 ต่อน(シーン・ソーン・トーン)



【DVD】ลำซิ่ง บันทึกการแสดงสด2016(ラムシン・バントゥック・ガーンサデーン・ソット2016)


もう1枚はヌットのラムシン・コンサートを収録したDVDです。コンサートは2016年に行われたもののようですが、具体的な月日と場所は記載がありませんので、分かりませんでした。

収録時間は50分なのですが、冒頭10分がダンサーの踊りのみの映像なので、ヌットが歌っているパートは正味40分程度です。

コンサートDVDとしては若干短めの収録ですが、中身は充分濃くなっています。

いわゆるコンサート定番曲はすべて省いて、途中ケーン1本だけをバックに即興で歌うラムグローンのコーナーも含めて、まさに「ラムシン」を歌うヌットが凝縮された内容になっています。

このコンサートの相方を務めているのはアーティット・シアントーンというベテラン男性歌手。彼はこの10月に日本に行く事も決まっています(ただ、このDVDでは彼が歌うパートはカットされていて、ヌットが歌うパートのみが収録されています)。

自分は何度かヌットのライブを観たことがありますが、バンコクで歌う時は大体パブなので、自分が知っている彼女とこのDVDでのヌットはだいぶ印象が違います。

イサーンという場所と、たぶんコンサート自体はかなり長時間だったと思うので、バンコクで観るそれとは雰囲気が良い意味でゆるく、ほのぼのとした空気が漂っているのが良いですね。

でも、これが本来のラムシン・コンサートなんでしょう。バンコクで観られるのは制約もあって、簡略化されているであろう事は想像できます。

いつかイサーンでこういう「本物の」ラムシンを体験したいものです。

◆DVDからのスクリーン・ショット








価格は2枚で250バーツ(送料込み)。

いずれ無くなってしまう事は必至なので、ファンなら持っていて損はないCD+DVDです。


2016年9月22日木曜日

【グン・スパーポン@バンコク】大ヒット中「シ・ヒ・ノーン・ボ」のバンコクでの反応やいかに

◆กุ้ง สุภาพร สายรักษ์(グン・スパーポン・サーイラック)


現在も大ヒット中の、グン・スパーポンが歌う「シ・ヒ・ノーン・ボ(สิฮิน้องบ่)」。

このヒットのおかげで、それまで全くと言っていいほどなかったバンコクでのグンのコンサートがかなり増えました(ラムシンスタイルでは来ていたと思いますが)。

たぶん、ソロでのグンの初めてのバンコク・ライブは7月23日のイサーン・ラムプルーンでのライブだったと思います。

以前からグンの生ステージを観たいと思っていた自分にとっては、かなり期待していたライブでした。その事は以前のこのブログので記事でも書いています(⇒「まもなく再生1000万回!大ヒット中「シ・ヒ・ノーン・ボ」のカバー集」)。もちろんそのライブは現場で観て来ました。

そんな期待に胸を膨らませて挑んだライブだったので、すぐにブログで取り上げても良かったのですが、そうしなかったのはそれなりの理由があります。

というのも、ネット上ではかなり話題になっていた曲ですが、当日は想像していたほど盛り上がりませんでした。それは、MVがアップされてからライブまであまり間が無かったという事もあると思いますが、グンのステージそのものもまだこなれていない感じがあったのもその理由でした。


◆グン・スパーポン@イサーン・ラムプルーン(2016年7月23日)








ラムシン歌手としてキャリアもあり、数多くのライブをこなしてきているグンですから、それなりの実力はあって当然なのですが、通常男女のペアで歌うラムシンとは違ったこういうソロのステージは、まだそれほど経験が無かったのかもしれません。若干、ぎこちなさを感じたのも事実です。


◆グン・スパーポン@イサーン・ラムプルーン-1(2016年7月23日)



◆グン・スパーポン@イサーン・ラムプルーン-2(2016年7月23日)



そんな訳で、もう少し時間をかけて彼女の真の実力をうかがおうと思い、約2ヶ月後の9月9日にもう一度、グンのコンサートを観に行きました。場所はラムイントラの「ローン・ナー・イサーン」です。

2ヶ月空けたのは特に理由は無くて、その間に何度かバンコク周辺でのグンのコンサートはあったのですが、行くタイミングが合わなかっただけです。

しかし、少し時間が経ったという事で、その間たくさんの場所でライブをこなしてきていた成果か、構成もグンのステージさばきも着実に良くなっていました。

それと、観客の反応も7月のイサーン・ラムプルーンの時よりかは全然良くなっていました。やっぱり7月の時点でバンコクでは、まだ世間に浸透するところまでは行ってなかったんでしょうね。

◆グン・スパーポン@ローン・ナー・イサーン(2016年9月9日)







ただ、正直な事を言うと、自分的にはまだ満足できるレベルではないのも事実。

それは、構成的にも終盤がどうしてもテンションが落ちてきてしまう傾向がありますし、グンの歌も所々でバックの演奏に負けてしまっている部分があったりするからです。

例えば、プムプアンの「サーオ・ナー・サン・フェーン」という曲を彼女はレパートリーにしているのですが、このアレンジのアイデアは以前このブログでも取り上げたプラーン・プランティップがThe Voiceで歌っていたときのものをそのまま使っています。

このアレンジでは、前半のソウルフルな歌い方から後半正調ルークトゥンの歌い方に変わった時点で観客が歓声を上げるのが常なのですが、9月のライブではそのポイントを外してしまい、イマイチ盛り上がらないまま終わってしまっていたりします。

こういう、ここぞというポイントを外してしまうと、その後、観客もテンションを持続できないままになってしまいます。

幅広い選曲で歌い方のヴァリエーションも数多く持っているグンですから、この辺の重要なポイントを着実に抑えていけば、コンサートももっと盛り上がるようになるのではないかな、と思いますね。


◆グン・スパーポン・サーイラック@ローン・ナー・イサーン-1(2016年9月9日)



◆グン・スパーポン・サーイラック@ローン・ナー・イサーン-2(2016年9月9日)



◆グン・スパーポン・サーイラック/サーオ・ナー・サン・フェーン@ローン・ナー・イサーン-3(2016年9月9日)



◆グン・スパーポン・サーイラック/アディート・クーイ・パン@ローン・ナー・イサーン-4(2016年9月9日)



◆グン・スパーポン・サーイラック/シ・ヒ・ノーン・ボ@ローン・ナー・イサーン-5(2016年9月9日)



曲のタイプが違うので、さすがにゴン・フアイライの「サイ・ワー・シ・ボ・ティム・ガン」のような爆発的ヒットというのは難しいと思いますが、着実にバンコクでも認知度が高まりつつあるのは事実です。

ただ、時期が過ぎればこのフィーバーもいずれは萎んでいくでしょう。それはヒット曲の宿命でもあるのですが。

その後は、やっぱりグンの本来のスタイルであるラムシンでバンコクに来てほしいですね。出来ればペー・パーヌチャイとかと組んで。

まだ、このスタイルではグンの実力は分からない。そんな事を感じたグン・スパーポンのバンコクでのライブでした。